薬剤師すずの書斎

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私、白血病になりました⑥~子どもは欲しいですか?~

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病名を知らされて、すぐに治療に取り掛かるとしらされた。

その前に外来の診察室で、先生から一つ確認があったのだ。

 

「子どもは欲しいですか?」

 

どうやら、今回の抗がん剤治療を行うと、少なくとも5年は妊娠をしない方がよいということらしい。私の5年後の年齢を考えると、自然妊娠するには少し難しい年齢になっている。現在2人の子供を授かっているが、もしまだ子供を望むならば、抗がん剤を使用する前に、採卵のスケジュールも立てておかないといけない様だ。

 

この質問の回答は少し保留にしてもらった。少し夫と相談したかったのだ。正直な気持ちをつづれば、3人目が欲しいという気持ちが全くない訳ではなかった。しかし、過去2回の妊娠はつわりはひどく、妊娠中は身の置き場がない程息苦しかったのをいまでも覚えている。そして、二人目の出産時に子宮動脈まで切って、痛みでのた打ち回るという経験もしている。それなにまだ3人目を諦めきれていなかった。

それは、子供たちに家族をより多くの家族を作ってあげたいという気持ちがあったから。いずれ親である私は子供より先にこの世を去る。その時に、子供たちが寂しくないように寄り添って生きていける家族を作ってあげたかったのだ。例え、自分の身体がボロボロになったとしても。

ところがどうだろう。再度、夫の前でも先生から「子どもはどうします?」と質問があったとき、夫は

 

「あ、大丈夫です。」

 

即答だった。。。

あの、私の意見は聞いていただけないのでしょうか?

相談くらいしたかったのですが。。。

と、あっけにとられ私は言葉が出なかった。

そして絞りだした言葉は、

「はい。。。治療を優先します。」

としか私は言えなかった。

 

先生の前で「ちょっと一人で決めないでよ!」

と夫婦喧嘩を始めるわけにもいかず、何より夫が子供をもう望んでいないのだとはっきりわかり、ある意味この瞬間諦めがついたのだ。

それからはもうスッキリした自分がいて、自宅になんとなく残してあったベビー用品を片付けようという決心もついた。

 

だが、待てよ。。。。

今書いてて思い出したけど、夫の即答だけでなく、一瞬もこっちを見ずに先生に回答してた姿を思い出した。あら、少し腹が立ってきた。子供は私が産むんだよ!私の存在を忘れるなー!

 

 

病名や個人でそれぞれ症状や感じ方、副作用の有無などは変わってきます。ここに書かれていることは、私の体験談であり、ほんの1例です。同じ病気で不安になっている人や患者の気持ちが知りたい医療従事者や私の周りの人に状況を知ってほしいと思って書いているので参考程度に読んでくださいね。