薬剤師すずの書斎

コーヒーが飲めないライターの机はPCとお菓子の山

私、白血病になりました⑧〜すぐに点滴治療とはいかなかった〜

 

f:id:shinnosuzu:20210930200415p:plain

 


入院四日目

頭痛は継続していた。

緩和ケアチームが病室にきてくれて、おつらいことはなんですか?と聞いてくる。

迷わず頭痛が継続していることをつたえると、五苓散をためしてはいかが?とアドバイスをくれた。とりあえず、この痛みが取れるならなんでもいいから試したかったので、処方をお願いすることにした。

なんせ起き上がるのがつらいから歯磨きにもいけない。トイレになんとかして行っても、ひどいときは車いすで連れて行ってもらったな。本当は、免疫力が低下しているから、毎日歯も磨き、体も清潔にしなくてはいけないのだが、思うように体が動かないのが実情だった。

実際に、五苓散を内服してみてどうだったのか

内服して幾分か頭痛が改善された気がした。少しは効いたのかな?

むくみを取る効果があるから、毎日の補液や点滴で脳が浮腫んでいたのが改善されたのかな?など色々自分なりに考えたけどやっぱり原因は分からない。

だが、何がつらいって、具合が悪いのに飲みづらい漢方を多めの水で内服しないといけないことだ。食欲ないから、物を口に入れたくないのに、1日3回定期的に飲まないといけないのだ。気分で今回は飲みませんとか言うと、看護師さんが主治医に確認しないといけないので、忙しい看護師さんを困らせないように毎回頑張って飲んでみた。

入院し、すぐに点滴の抗がん剤も始まると思いきや違った

まず私の場合は、血球(血液の中の成分バランス)をある程度補正(治す)必要性があったようだ。入院して1週間は輸血をしては採血をして、血液の中の状態を確認する日々だった。

私は血管が出にくい(見えにくい)体で、採血の時はいつも医師や看護師をこまらせていた。特にこの時は、光が頭痛を助長させるので病室の電気を1日中消していた。なので薄暗いなかで、私の採血をするのは難儀なものだった。失敗されるのは慣れているので、何回針をさされてもいいのだが、毎回心の中では「がんばれ~。私から採血できたら一人前になれるぞ~。がんばれ~。」と思いながら血をとられていたものだ。こう毎日採血されると、誰が採血上手いのか、苦手なのかがわかってくるし、初めての人に採ってもらう時でも、「今回は上手くいきそうだ。」「今回は時間かかりそうだな~。」とわかるようになるもんだ。

なんでだろう。なんとなく、採血する人の自身の現れがその人からにじみ出ているのを感じるのである。気合い十分で、「よし、採るよ~。」というオーラだと、大抵一発でとれる。「どの血管にしよう。ここでいいかな?ちょっとやってみよう。」的なオーラは大抵失敗して、「ごめんなさい。他の人呼びますね。」となる。

さて、話を戻して私の血液の補正のお話。

赤血球(高級トマトジュースみたいな赤色)を輸血したり、血小板(ちょっと濁りがあるアップルジュース100%の色)を輸血したり、血漿(クリアな濃いアップルジュースの色)を輸血したり、日によって輸血するものは違っていた。

残念ながら白血球だけは輸血できないんですって。

今後の治療で自力で作り出さないといけないんですって。

今までの人生で輸血をしたことがなかったので、輸血初体験だったのだが、こう毎日何かしらの輸血をしていると、

「私は人様の善意によって生かされているんだな・・・」

と感謝の気持ちがわいてきた。

「この血液をくれた人はどんな人なんだろう・・・」

と、ベッド横の点滴棒にぶら下がっている輸血バッグを見ながら想像をしていた。

 

その補正期間にも覚えのないアザ(内出血)発見。看護師さんが毎日定規でサイズを測り、大きくなってないかを確認するのだ。

身体のむくみが半端ない。毎日毎日血液成分を点滴しているせいだろうか?体中の細胞がパンパンになっている感じがする。そして、頭痛で食欲がないのに体重だけが増えていく。

輸血で血小板を輸血したおかげか、出血過多が治まって来た。やった。輸血の効果を実感して少し安堵した。

 

病名や個人でそれぞれ症状や感じ方、副作用の有無などは変わってきます。ここに書かれていることは、私の体験談であり、ほんの1例です。同じ病気で不安になっている人や患者の気持ちが知りたい医療従事者や私の周りの人に状況を知ってほしいと思って書いているので参考程度に読んでくださいね。