病院薬剤師になるまでの就職活動
薬学生のなかでお勉強が苦手な人にとっては、就職活動(以下就活)と卒業試験と国家試験のトリプル両立は厳しいものがありますよね。実際、私がその一人でした。結構、知らないうちに追い詰められていたのか、今でも時々「はっ!年末なのに何も国家試験の勉強してないよー!!どうしよー!!!」という、この世の終わり的な夢を見ます。
一般的な就活を語るのはいつかの機会にして、一つの経験談として私の場合はどうであったかをお話ししたいと思います。
~薬剤師でも道は色々~
私はぎりぎり4年制の時に卒業しました。
(年は計算しなくていいですからね。。。)
地道な研究なんて私の性格は向いてない!と思い、大学院への進学は希望せず、
臨床の薬剤師になろうと決めていました。(今思えば、大学院行って製薬会社の
研究分野に就職しておけば、いま子供の養育費に困っていなかったかもと思って
しまったり。。。)
病院の求人が出るのは、調剤薬局より製薬会社よりドラッグストアより遅くて、
しかも求人数が少ないんですよね。ですから一応、調剤薬局とドラッグストアの
会社もいくつか受けておきました。
メリットは、
面接の練習もできる
何回か面接を受けると自分のカラーが出来上がってくる
異業界の見学もできる
案内してくれる先輩方のお話を聞ける
(デメリットは、そこに時間を割かなくてはいけない、くらいかな。。。)
しかしながら、病院の面接はことごとく落ちていったのです。
調剤薬局とドラッグストアでは、面接官の反応が良く受けた所は全て内定を
頂いていたのに病院となるとなかなかうまくいかないのです。
~病院が求める薬剤師像~
何個か病院を受けて、うっすら気づき始めます。
私のキャラがハマってない。。。
病院から内定を頂くにはだた1つ!
『部署のトップ(薬局長)が欲しいと思う人になれ!』
- 頭が切れる
- 真面目である
- 自分の考えを語れる
- しかし従順である
大きい病院になればなるほどその傾向が強く感じられました。もちろん私が
ふざけていた訳ではないですが、それはこう思います!とハッキリし過ぎると
協調性や柔軟性を心配されたり、趣味が勉学とかけ離れていると、お年を
召された部署のトップの方には理解されていないなと、面接の空気から
感じ取りました。
病院薬剤師に個性やユニークさは必要なかったのです。
~内定はもらえたのか?それが意外なところから!~
ことごとく受けた病院から「ご縁がありませんでした。」の言葉をもらった私
ですが、どうしても自分に嘘はつけず、あと数か月で国家試験が迫っている
なか、空いている時間をみつけありのままの自分で就活を続けていました。
するとある日、携帯に知らない番号から電話があり、出てみると。
「○○病院で事務局長をしている者です。本院の薬局長から、うちの病院に
合いそうな方がいるということで貴方を紹介されました。よかったら一緒に
働きませんか?」
そうです、国家試験直前でやっと病院から内定を頂けました!私を受け入れて
頂いたことと、試験に集中できるので本当にあれは嬉しかったです。
就職した病院は大きくはないですが、それが逆に職員間の距離が近く、
コミュニケーションがとりやすいので、仕事はしやすかったです。
~目標へ階段は一段ではないよ~
一応、語弊がないように書き加えさせてもらうと、全ての病院が上記の1~4の
ような人材を求めているという訳ではないですよ。大学病院や病床数が多い病院
の面接やインターンで、そのような雰囲気を強く感じました。逆に中小病院になる
と、薬剤師の数も少なくなるので、一緒にいる時間も多くなり、アットホームな
雰囲気の薬局も多くなってくると思います。実際、中規模病院の薬局長から
「私は趣味を多く持っている方が好きです。趣味を全力でやる方は、仕事を
一緒にしていても楽しいから、私はその人の趣味を全力で応援したいです。」
と聞いたこともあります 。
病院薬剤師になりたいといっても、大規模・小規模、急性期・慢性期・終末期、
色々な種類の病院があります。そして、それぞれ雰囲気も違います。第一希望から
内定をもらえなくても落ち込まないでください。どこの職場に就職しても、
そこでしかできない経験があります。その経験を確実に自分のものにして、
経験値を上げてください。それが必ず自分の武器となって、将来自分を助けて
くれます。就活に行き詰っている人はどんどん色々な病院へ見学に行って、
たくさん質問して、お話しを聞いて、この人と一緒に働きたい!と思える薬局長
を見つけて下さい。少しでも就職のお力添えになれたら嬉しいです。